【戦争映画】ラスト・エスケイプ (2018)

ラスト・エスケイプ 93分 ★

原題『T.i.M』

・本作 内容

原題は特殊部隊の名前らしいけれど調べてもぱっと出ない。フィクションかな。

テロリストの攻撃で家族を失う軍人や警察、取り残される家族、愛国心を強調したトルコ映画にありがちな人物シーンが長い。

ISILと国内のクーデター勢力が内通することで通常の作戦が筒抜けのため、極秘に独立した少数精鋭チームが作られ主役5人が集まる。

大使が拉致されて、なんやかんやとこれを救出しテログループの目標の一人を殺す。国内のお偉いさんのテロ首謀者にやつがやられたぞとメールが届く。もう我慢できないぞ、と、そいつがクーデターを決行して終。

 

たぶんこれ。2016年トルコクーデター未遂事件 - Wikipedia

『特殊部隊ウルフ・スクワッド(2018)』というトルコ映画がこれをテーマにしている。これは少なくとも映像のレベルは良かった。戦車も戦闘機もしっかり出る。

 

・雑感

 

カメラワークがいまいちで、シャカシャカBGMが冗長。cgの黒煙は映像から浮いていた。

露骨に低予算作品で、完全にパッケージ詐欺のタイプでありF35も戦車も出てこない。パケ裏に敵3000人みたく書いてあるが20人とかそんなもん。人質奪還の場面は『ネイビーシールズ(2012)』のパクリ劣化に感じる。

スローモーション尺稼ぎのテンポなどを良くすればそのまま30分に短縮出来る。

軍事的な描写や台詞に面白味は感じなかった。

 

・採点

体感★1つとします。

【戦争映画】RECCE レキ:最強特殊部隊 (2018)

RECCE レキ:最強特殊部隊 118分 ★

原題『The Recce』

・本作 パケ裏より
1981年、10年以上に渡り南西アフリカとアンゴラの国境地帯で戦闘を繰り広げてきた南アフリカ南アフリカ国防軍所属の特殊部隊レキの隊員ヘンクは偵察と暗殺の任務のため単身アンゴラ国境を越え敵地に潜入する。無事任務を終えた矢先、敵陣からの襲撃に遭い連絡が途絶えたヘンクを、本部は戦死したとみなすが、厳しい訓練と実践経験を重ねたヘンクは、傷を負いながらも次々と迫ってくる敵を倒していく。愛する家族が待つ故郷へ変えるため、孤独な死闘を繰り広げる!

 

・内容 雑感 ネタバレ注意

アクション的要素は無い。はじめの一時間で寝ないのが大変だった(初見は寝た)。非常にテンポが悪い。戦争のむなしさを全面に押し出そうとした作風と思われる。

 

背景を浅く説明する。興味なければとばしてください~~~~~~~~~~~

イギリス帝国は主に白人主体の植民地領を次第に自治化しイギリス連邦(コモンウェルス)という体制を構築(世界恐慌の後にはブロック経済を取った)。この繋がりは今に続いている。(今でもカナダやオーストラリアなどはチャールズ三世が国王である) それら自治領をドミニオンという。

ドミニオンは事実上の独自主権を持つようになっていった。それにより南アフリカは、第一次欧州大戦後の旧ドイツ帝国領の分割において、南西アフリカ(現ナミビア・南アの北に位置する)を委任統治領として独自に獲得した。

冷戦期、続々独立する旧植民地を自らの側につけようと米ソが攻防を行っていた。アンゴラ(南西アのさらに北に位置する)のポルトガルに対する独立戦争(1961~)は米ソなどがそれぞれ支援する反政府武装組織間の戦争に発展した(アンゴラ内戦1975~2002)。

1966年 国連によって南西アが国連直轄統治とされたが南アは拒否、南アはナミビア独立戦争(1966~1990)によりソ連等が支援するゲリラと戦っていた。それを背景に南アは、自国への独立戦争波及を警戒してアンゴラ内戦に介入していた。

作品説明ではこの時期にあたる。レキはソ連の軍事顧問を攻撃していたとされる。

作中で背景の説明はゼロに近い。『奥地』って表現が繰り返し出てくるけどどの辺か分からない。年代もパケ裏に1981とあるが作中で出てなかった気がする。(寝てたかも)

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ソ連軍事顧問を狙撃して逃げる。主人公は拘束されヘリでの脱出地点にたどり着けないが、よくわからん敵の内輪揉め?になって脱出(別の武装組織?なんか旗とかちゃんとみればわかるのかもしれない)。行方不明で戦死扱いになる。なんとか連絡出来るが、暗殺を依頼したおっさんは上層部に救助の許可をもらえない。独断の作戦だったらしい。アフリカーンス語使えといわれる(アパルトヘイトの描写)。

おっさんが独断で救出を決意したのだろうか、なんの説明もなく平行して別の暗殺任務描写がされている隊員がいて、そいつが探索によこされるが負傷によってすでに死んでいる。その隊員が遺品をおっさんの部屋に置いていって終わる。政府の欺瞞が云々、兵の苦悩や支配者への複雑な感情、上官としての苦悩、差別体制、遺族の悲しみ、治安とかそんな感じか。背景を踏まえれば言いたい事はわかるが、面白くはない。

軍事的な面白味は特に感じなかったが、兵隊の所作はらしさがあり大根ではない。

演出に稚拙さがあり、セリフが誰による誰への言葉なのかとかが分かりにくい場面があって混乱したり、いろいろ下手。映像それ自体は普通にきれいで画面が粗いという事はない。とにかく説明をする意識がないので、察する事を要する。人によっては素晴らしい作品と好評価するかもしれません。40分くらいにまとめて欲しい内容。

 

・採点

体感★1つとします。

【戦争映画】T-フォース ベトコン地下要塞制圧部隊 (2008)

T-フォース ベトコン地下要塞制圧部隊 96分 ★★★

原題『1968 Tunnel Rats』(1968 トンネル・ラット)

・本作

Tunnel Rats (film) - Wikipedia (トンネルネズミの実際の任務に基づいています。)

Tunnel rat - Wikipedia (ベトナム戦争中に地下捜索と破壊任務を行ったアメリカ人、オーストラリア人、ニュージーランド人、および南ベトナムの兵士でした。)

興行的には失敗したが評価は良かったそう。そもそもビデオスルー(劇場公開せずパッケージだけ出す作品)であれば興行収入はゼロですけどね。 蛇足→『ストレージ24』という、単館一週間の上映により72ドルというアメリカ最低興行収入を出したイギリスのモンスターホラー映画は結構好き。

 

・内容 ネタバレ注意

隊員が配属先の野営地到着。うちで麻薬は禁止だと言う厳格そうな小隊長が、今日は休め明日はトンネル攻略だと告げる。

ベトコンの絞首刑を隊員たちが見せられる。ある兵士が違法だと小隊長に抗議し、それをみて小隊長の命令で処刑を実行した兵士が耐えられずに泣きだす。ベトナム戦らしく黒人兵が多数いる野営地の描写が続き、いろんな考え方を見せる雑談とか。

トンネル攻略で順調に犠牲者が出ていく。地味で恐ろしいトラップ。地上の部隊が敵に急襲され、ある二人の兵士はトンネルの中に避難しそのまま這っていく(そうはならんやろ)。地上の攻撃は激しくキャンプは掃討され、小隊長は自陣に爆撃要請。地下の兵士達は孤立しそれぞれ進む。戦闘で半死にの小隊長、弾薬集積所で自爆という軍人魂をみせる。

地下の部屋で、例の処刑をやらされた兵士が女ベトコンと子供に遭遇。通りたいだけで危害を加えないと銃をしまう。ベトコンは子供を逃がすが彼を信用できず身動きが取れない。爆撃の衝撃で部屋が崩れ、2人は必死に穴を掘るが、力尽きランプの火が小さくなり消えていって終。

 

・雑感

ドイツとカナダでアメリカ軍を描くとは変わっている。

ラストシーンが芸術的ね。酸欠したという事と思うが急だ。作中ベトコンは火で灯りをともしているけれど酸欠にならないのかなと思ってみていた。どのように換気していたのだろうか。

開幕の曲は『In The Year 2525 (西暦2525)』 1968年にローカルで発売しラジオでヒットしたらしい。当時らしい想像の、人間性の無い未来世界の歌。知らない。

出演車両等

定番の UH-1 M151  近接航空支援をした機影は攻撃機A-1に見える↘
銃器は無知だが 小銃が当時ないM16A2との指摘をネットでみた
たしかにそれ以前のモデルと混在してた

~【関連wikiとか 興味なければとばしてください】 ~~~~~~~~

北はクチトンネルと呼ばれる大規模な地下通路網を利用した。掃討の大きな作戦は調べると2つでてくるが、本作が特にこれのこと、というのは見当たらなかった。↓

クリンプ作戦(1966)Operation Crimp - Wikipedia 

シーダーフォール作戦(1967)Operation Cedar Falls - Wikipedia 

決定的破壊に至らず、テト攻勢(1968.1)でトンネルが活用された。攻勢は鎮圧されたが政治的にアメリカを不利にした。

1970年 B-52爆撃機による激しい爆撃によって大部分が破壊され、その有用性が失われました。 だそうで、本腰を入れて破壊された。

Củ Chi tunnels - Wikipedia ”ベトコンにとって、トンネルでの生活は困難なものでした。空気、食料、水は不足しており、トンネルにはアリ、有毒なムカデ、ヘビ、サソリ、クモ、げっ歯類がはびこっていました。ほとんどの場合、兵士は 1 日をトンネルで作業または休息に費やし、夜間にのみ外に出て物資をあさったり、作物の世話をしたり、敵と交戦したりしていました。時には、大規模な爆撃やアメリカ軍の移動の期間中に、一度に何日も地下に留まることを余儀なくされました. トンネルに住む人々の間で病気、特にマラリアが蔓延していたこれは戦傷に次ぐ死因の第 2 位でした。キャプチャされたベトコンのレポートは、いつでも、人民解放軍(PLAF) 部隊の部隊の半分がマラリアに感染しており、「100% が重要な腸内寄生虫を持っていた」ことを示唆しています。”

民間人も生活していた。作中でもベトコンの女性が子を住まわせている 非人道的だ笑。もし北が”賊軍”になっていればその”軍国主義”や”徹底抗戦の愚”を厳しく断罪されたことだろう。トンネルの掃討の安全確保にCSガス(暴動鎮圧に使われる催涙ガス)を投げ入れるシーンがある。関連wikiのなんかで当時のニューヨークタイムスの記事に発煙筒で追いたてると女子供が出てきたいう記事をどっかでみた(見失った)。軍批判のニュアンスだが、まず軍事施設に住まわすなと思う私がおかしいのか。ちなみに1997年の化学兵器禁止条約で暴動鎮圧剤も戦争使用が禁止された。

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作中の内容は実際のビジュアルに忠実と思われる。狭い入り口、大柄な兵士だと通れない細い穴の息苦しさが伝わる。居住区や作戦室など部屋に連結されている。とにかく息苦しく、精神的につらい描写が多いのであまり感情移入すると観てて疲れる。

写真

基本的にトンネルの話。戦争映画によくある描写が多い。敵味方人間らしくて不快感はない。キャラの性格の掘り下げはあまりない。

面白かったのは動かない方が有利になったシーン。敵は待ち伏せをして、音で察知してくる。ストレスで自暴自棄になった米兵が、俺はもう動かねぇ!となり通路で寝転がっていたら、偶然這ってきた敵2人の戦果を上げる。

トンネルシーンは画面の大半が真っ黒で、ライトと壁と顔が少し見えるだけという絵面が多いため地味であるのは否めない。

 

・採点

たのしめました。一見の価値はあると思います。体感★3つとします。

 

【戦争映画】五人の突撃隊 (1961)

五人の突撃隊 118分 ★★★★

・内容

1944年ビルマ戦線で疲弊した部隊に、英軍が総攻撃をしようと準備している。大隊長は無断撤退を決意し、総攻撃と見せかける陽動攻撃をして一挙に撤退する。五人の戦車兵経験者が、前の戦いで擱坐した敵戦車を対戦車砲として利用し陣地に残り、部隊のしんがりを命じられる。撤退を察知され、陽動攻撃に出た小隊も戻ってきたのでようやく自分達も橋を爆破して撤退するぞ思ったその時、戦車群を伴う敵があらわれ激戦となる。大健闘するが、どんどん死んでいってしまう。

 

・出演車両

M24 M4A3E8 自衛隊車両が撮影協力している 英軍戦車の設定でM24を中心に複数登場する

M24軽戦車  M4中戦車
自衛隊車両 本作の画像ではない

本作の61年は自衛隊初の国産戦車である61式の配備と M41軽戦車の有償供与が始まった年で、それまでは警察予備隊期以来この二種が装備されていた。

 

・雑感

陣地の様子と撤退の決断までのいろんな人間ドラマを描き、五人の性格の背景となる故郷での記憶のシーンが交互に展開され、これが面白かった。

反戦要素で兵がぶつくさ文句を言うのを何度も描写するので初見はたるかったが、いろんな要素で上手くバランスがとってある。特に中心になる3人の心情が理解できた。軍事的な点もそこそこ多面的で設定に筋が通っているので良かった。

橋の爆発シーンは良くできた特撮で、そこだけラジコンのM4を使っている。

アクションをシンプルに楽しめ、戦車のよく活躍する陸戦の邦画というと珍しいと思います。

 

・採点

たのしめました。体感 ★4つとします。

 

 

映画参考 対艦爆撃

いわゆる二次大戦の話として対艦爆撃の投弾高度はどのくらいなのと調べて見ますと、急降下爆撃は500~600m、水平爆撃はその5倍の2500~3000mくらいのようです。また雷撃(航空魚雷による攻撃)はかなり大まかに言って50m前後。

急降下爆撃の投弾高度イメージ。ここから機を起こして速やかに離脱を図る。そのままだと5秒とかで海面に激突して死ぬ。なるだけ実際の寸法になるように測ってみた。役者は東京スカイツリー、空母加賀、九九艦爆。低めでも天望回廊くらいの高さでは投弾するものと思われる。 

月刊PANZER編集部作成 のりものニュース から引用 真珠湾の場合

https://trafficnews.jp/post/91742/2

知る限り最も酷い描写として、ミッドウェイ(2019)の特にラストのような爆撃は、ものすごく減速した上に機を引き起こしてから、よくて10mほどから投弾していて論外になっている。(着艦動作中に投弾したレベル)慣性に従えば弾は滑る。(映像では爆弾は即座に下を向き甲板は1センチの板がごとくボスッと穴が開いた。)また爆弾にはプロペラの回転数で解除される安全装置があり爆発しない可能性が高い。爆発しても機が巻き込まれて死ぬ。

 

・余談 『パールハーバー』のドーリットル空襲シーン およそ11機編隊(東京空襲機全機との描写意図と受け取って良いと思う)で一面の大工業地帯を超低空爆撃で見事粉砕している。見た感じ50mとかで自殺行為。実際は各機それぞれに目標がありバラバラに爆撃した。機によっては民間人への機銃掃射を行った。

笠原兵器工場・プレビック発電所なる施設のある大工業地帯

デスティニーインザウォーなる中共映画(低予算でつまらん)では、戦時中のプロパガンダ映画『東京上空30秒(1944)』や『パールハーバー』にならったのか、相変わらず見渡す限りの謎の大工業地帯だった。(似すぎて本気でパールハーバーの流用かと思ったがよくみると違った) またミッドウェイ(1976)では東京上空30秒のフィルム流用をしている。

ミッドウェイ(2019)では、異様な爆撃や見渡す限りの大工業地帯ではなかった点で、75年たってはじめての進歩と思われる。なお真珠湾のシーンでは水平爆撃の真っ最中に、機銃乱れ撃ちで爆発する停泊艦船の間を縫っていく零戦という描写で、パールハーバーの血を受け継いでいて感動。