(概ね)戦争映画みる星人

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【ホラー映画】ゲヘナ(2016)【番外編】 25

 

番外編なので雑に。ネタバレ注意

 

ゲヘナ 106分

アメリカ映画で日本人監督

翌年のテリファイドという映画がなかなか好きで、パッケージのガリガリハゲがそっくりなので気になったが、あまり良い脚本とは思えなかった。人物がなに考えているのか、なんとも。洞窟内でいったり来たりテンポが悪いし。ご自慢のメイク技術は良いんですが。

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このジジイ、トラウマ級。 とあるが別にジジイの霊と戦う話ではない。余談だが

ババアが、憑いてくる。 のパッケージのフォロイングでは、ババアが憑いてくる。

 

戦車の残骸が出てたので紹介。とはいえこんなのググればいくらでも出てくるんですけどね。

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九五式軽戦車

どの様な形にせよ映画で映る事自体が良いのであり、貴重なのだ。

 

ネタバレ注意

 

リゾート開発でサイパンのある土地を買い上げる話が進んでいて、反対運動がある。

迷信嫌いの現地ガイドや所有者ら五人で、神聖な土地で地元民が近づかないらしい候補地へ。なにやら洞窟の前で祈りを捧げている侵入者を追い出し、なんやかんやと内部の視察へ。

なんと日本軍の地下壕で古い死体が転がっていた。カンヅメをむさぼるガリガリハゲが飛び付いてきた時にパニックで押し飛ばし殺害。一行が謎の気絶をして、目を覚ますとボロボロに散らかっていた地下施設が綺麗になり、食糧元通り。出口が空かずに一行は閉じ込められてしまった。どうやら過去にいるらしい。

実はもともと先住民の王を苦しめたスペイン軍人が呪いの儀式にかけられた洞窟で、中に入ると自らの後ろめたい気持ちが幻覚となり、伝承者である最後の一人になるまで苦しみまくる理不尽な仕打ちが始まる。主人公の女性はかつて息子を海で見失い死なせてしまったトラウマがよみがえりグロい子供の幻覚に罵倒されるなどである。

かつて日本兵たちも巻き込まれた。

時空が歪んだ空間に閉じこめられ過去の怨念に襲われるのは、カナダの精神病院を日本軍地下壕&地元民の伝承版にしたグレイヴ・エンカウンターズのような状況設定だが、各キャラのトラウマとかが本筋と無関係で機能しておらず、幻覚のパターンも不合理で、話は浅い割にいまいちなテンポやセットのせまさがぬぐえずなんともいえない。ちなみにPOVではない。

グレイヴ・エンカウンターズのシリーズぐらいアホ丸出しだったなら良かったのになぁと思った。

 

システムはこう。洞窟は過去と現在が歪んでいる。たぶん17世紀あたりに呪いで死ねなくなり、呪いの伝承役として洞窟に居続けガリガリハゲと化したスペイン人を、70年前日本兵が発見、パニックで殺害。伝承役がトリガーで地下は閉じ込め異空間モードに。

最後の日本兵は伝承役になってしまう。(チラッと写る日記に書かれているが、敵を殺して快感を感じた事かなんかが罪の幻覚となっていたようで、洞窟内に許してくれ殺してくれとの落書き。)

閉じ込められた主役一行の侵入に驚いた日本兵さんは、自分が最後の一人ではなくなったと悟り自決。

後に謎のガリガリハゲは一行の伝承役で、突き飛ばした悪役男本人と判明。死体の一部は一行自身だった。

なんで日本兵さんはガリガリハゲじゃないのか、なぜ悪役男さんは70年後にガリガリハゲ状態でカンヅメを食っているのか、なぜループしているのか、時間の整合性がどうも取れない。

 

日本の侵した地をリゾートに!とか言いながら迷信現地人は小銭渡せば解決するとかぬかすアメリカ人土地所有者が地獄をみる大国を皮肉った映画だと思うのだが、呪いが地味に凶悪すぎる。悪魔のような類いの相手ではないのに理不尽過ぎてピンと来ない。主人公の女性ぜんぜん悪人じゃないし。

 

日本軍周りはガバガバなのでいちいち言及せずスルーとするが(軍の小物はコレクターの集めたらしいものが多少でてる)、監督もあってか発音は珍妙ではない。映画からは全く分からんのでサイパンについて軽く触れておく。

欧州大戦後のパリ講和会議において米ウィルソンが、旧ドイツ領土の無併合を原則と主張、しかし現実問題独立国としておいていて安定するとは考えられず、国際連盟に委任された国が統治する形をとったため、大戦で主にアジアのドイツ領攻略を担当した戦勝国日本の委任統治領土とされたものである。

 

技術的なレベルは良い 脚本は微妙

霊や呪いの目的がよく分からない 良くない意味で快感が無い

よって25点とする。

【映画】戦国自衛隊1549 (2005) 17

前二回に続いて戦国自衛隊1549です。

 

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・本作

戦国自衛隊』のコンセプトを元に福井晴敏がプロットを作成し、角川映画が角川グループ60周年記念作品として映画化した。総製作費は15億円

↓より

戦国自衛隊1549 - Wikipedia

陸上自衛隊10式戦車出演

 

・内容

自衛隊が極秘開発中の電磁シールドの試験を行う。戦車やヘリなど様々な装備を用意し試験を行う実験中隊は、実験で歪んだ時空によって戦国時代へ。

過去と現在の地面が入れ替わり、しばらくして地面は元に戻ったが、実験中隊はサムライ集団に攻撃され場所を移動してしまい過去に取り残された。そして一人の侍が現在の世界へきた。

過去が変化することで現在に謎のホールが出来る。過去が変わりすぎるとこの世界は消えてしまうと推測。時間は強い修復力があるため、直ちに世界が消滅することはないが、歴史に介入しすぎると崩壊するらしい。

元特殊部隊自衛官の鹿島ら少数精鋭を過去に送り込み、実験部隊と合流・帰還する極秘任務に挑む。

実験中隊長の的場一佐は、かつて解体された特殊部隊で鹿島の上官だった男。過去に取り残された彼と先導された部下は日本を強い国にするのだと戦国に介入しまくっていた。

結局、戦国で天導衆と名乗り支配者と化した実験中隊との大バトルに。

 

・雑感

役者の演技がよろしくない。

 

さて、本作の見所は過去に飛ばされた的場一佐との戦いだろう。飛ばされた先は戦場、突如攻撃され多数の死者をだし(見たこともない集団をいきなり殺害するほど侍はチンパンジー以下の脳ミソではないとおもうのだが)、的場は時代と戦うと決意した。「もういいよ!俺、自衛官やめる!」

歴史の強力な復元力により史実の織田信長の役割として組み込まれてしまっていた。歴史は元に戻ろうとしていた。的場の台詞を引用する。

「だがその先に待つ未来はなんだ? 己の威光を守るために国を閉ざした徳川幕府 力なき過信のもとに突入した太平洋戦争 そして無惨な敗北 俺はこの時代からやり直し平成の日本人が日本人であることを誇りにできる強固な国家を作ってみせる 自分の身を守る術すら忘れた平成人のために 俺は殉ずるつもりはない!」

???

こんな偏狭な歴史解釈をするやつが日本の誇りとは笑わせに来ている。そして具体性がない。自分の身を守るすべってなんや?外国で例えてくれと思わずにはいられない。果てにコイツは朝敵とされたことで天皇を殺害しようとするのだが、それはもう、日本なのか?敵がなにに拘ってるのか分からなくなってくる。

そして、実験で使った衛星電池がなんか核爆弾みたく改造できて、それで富士山を爆発させ関東を壊滅させ、日本を一から作り直すらしい。そうすれば歴史は劇的に変わり、現在の世界は消滅、新たな時間を歩むというわけらしい。なおこの爆弾めちゃくちゃ軽い…こんな技術があれば日本安泰じゃねーの?と思う。

 

革命の為にまず完膚なきまで滅ぼすというシナリオはローレライでもあったのだが、ローレライの意味不明さと異なり、歴史との闘争という説明付けがある点は良い。粗のかなり多い脚本だが、時間解釈は説明がついている。時間ネタの作品はガバガバなことも多いから発想は良かったと思う。

 

面白いのは、近代戦的な子ネタ要素いろいろな城のセットなどや、実装備が沢山出てきてセットを壊すような活躍をする所が自衛隊車輌ではなかなか見られない映像ではある。

俺をおいて先にいけぇー!系のシーンで、どうみても犠牲にならなくても間に合うよね?ってなるのクソ映画あるあるだと思う。

よく自衛隊も強力したものだ。メディア大手の働きかけは相当な力があるのでしょうね。

 

 

・採点

三作は共通して、曖昧な人道論や不明瞭な主張から評価に困る

結局  ――――――――――生きろ。  的な

カメラワークもかなり単調なのだが、本作が最もセットやシナリオが良いと思う。

マイナー外国映画を漁っている時のような寛容な心で、偶然アサイラム映画の掘り出し物として出会った作品と仮定し見れば、かなり面白く感じれたと思う。戦国感と自衛隊というテーマは画面に一貫していたのも良かった、安すぎない。

よって17点とする。

 

 

【映画】ローレライ(2005) 5

前回に続いてローレライです

 

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・本作 フジテレビが製作に名を連ねている

・内容 ローレライ (映画) - Wikipedia ←注:内容全部書いてあります

ナチスの人間改造で出来た超能力者の女を乗せることで、敵魚雷を正確に探知という超技術のローレライシステムを乗せた日本の潜水艦が戦果をあげるも敗戦が近づく。日本の現状を憂い敢えて一度日本を徹底的に破壊しようとする珍勢力がおり(国家の切腹だとか)その内通者が潜水艦をジャック。隙をついて抵抗し、彼らの計画により東京に三発目の原爆が落とされるのを阻止する。この潜水艦にはデカイ連装砲がついており離陸直後のB29を一撃で撃墜して終了。

 

・雑感

ひどい。よくこんなメガシャークシリーズに遥か劣る作品を全国公開したものだと感心してしまう。最近も日本アカデミー賞なる日本のメディアの体質を体現したような閉鎖的な身内上げのパーティーをやっていたが、邦画はどうなってしまうのだろう、いや、どうもなっていなかったのかもしれない。

タイトルロゴが男たちの大和への便乗で笑う

 

面白いところの一部につっこんでみる。

ローレライシステムの使用がぶっつけ本番。

ローレライシステムは母艦が超能力者を乗せた子艦を引く必要があるのだが、子艦にも魚雷が外側に搭載されておりそれを発射するシーン。大きさと位置関係上前方の母艦に直撃するため、側方に大きく飛び出て前進する(水の抵抗すごそう)という欠陥構造である。

米飛行場にB29を破壊しに行く決戦の前、能力者と、共に子艦でサポートしている若者への同情から艦長が子艦を切り離し、生きろ 的な事を言う。ここからは大人たちが責任を取るのだと、作中で陳腐に描かれる責任を取らない大人なるものと比較して言いたげだが、敵艦に囲まれた大海原のど真ん中でいかにも航続距離の短そうな小型潜水艦で放り出されても死あるのみなのだが。

ラストだけでも珍シーンの詰め合わせ。本来飛行場を砲撃予定にも関わらず、浮上と同時に、すでに離陸したB29を即座に照準するシーン。艦長が目視しただけでなんの命令も出していないのに高速で砲塔旋回し照準、通信機もないのに艦上で撃ち方始めと命令、その照準のまま射撃すると飛行中の目標に当たる。意味がわからない。というか日本側の内通者から機の発進時刻を聞き出したわけだがそんなもん知ってるのもおかしい。

大量の駆逐艦隊の真ん中に浮上して、射撃完了するまで全く攻撃されない、全く砲を向けられもしないにとはどういうご都合主義だ。

またそれが該当飛行機である確証は一切ないのに全て終わったという顔をして締めるのもおかしい。滑走路が無事なら原爆搭載機が飛び立つやも知れんのだからさっさと砲撃しろ。

ここで強く言いたいのは、『あるキャラクターがその時点の知識及び精神状況で、ある状況に対してどう感じ反応するか。』に矛盾をきたすのは、脚本上設定した情報を扱いきれない思慮不足という初歩的な脚本の低レベルさによるもので、続編で大爆死するようなクソアニメの典型も実はこれである。

 

現実では、日本を徹底的に破壊して得するのは敗戦革命を計画していたコミュニストソ連というのが世界地図を俯瞰して見えるものだが。フィクションによる勝手な反米のみと曖昧極まる日本の誇り云々というような狭い話ばかりで結局何が言いたいのか全く分からん。冒頭のポエムもテーマとの共通性が見いだせない。

フィクションでアメリカ人に誉めてもらうセリフ書いてて恥ずかしくないのかな、この手の映画こそ日本の誇りなぞないと思うのだが。なぜ海外のように、愛国心をことさらに愛国心を描いていますと強調せずに普遍的に描けないのだろうか、そんなものはテーマ足り得ない。娯楽を娯楽としてテンポよく、作品を作れないのだろうか。

ほぼ同じシナリオでも宇宙人と戦う内容にすれば倍面白かっただろう。

 

・採点

冒頭から潜対潜でサクっと沈める超SFと分かって期待せずに見れたので負荷は軽減された。要はナチゾンビもの並の庶民的作品であって戦争映画ではないという事だ。

『プテロドン 零式戦闘機 vs 翼竜軍団』の方が面白いかな。

史実の欠片もない。得るものも、SF的面白さもない。

よって5点とする。

【映画】亡国のイージス(2005) 11

男たちの大和』の2005年は、福井晴敏原作の軍事ネタ映画が三本も公開された事をご存知だろうか。

『亡国イージス』『ローレライ』『戦国自衛隊1549』である。

 

まさに邦画ミリタリーの年、しかしそのクオリティは残念なものだった。

93年ジュラシックパークで最高の映像にCGが欠かせなくなったのは誰の目にも明白だったが、2005年は未だミニチュアから抜け出せないガタガタの東宝が、ゴジラ最終章と銘打ったファイナルウォーズをチープなCGを織り交ぜ公開した年でもある。

この三作も、必要な作中描写と技術の不均衡はチープな映像として出力された。

お花畑なぼんやり人道論、戦勝国史観を前提に愛国論を展開するぼんやりテーマ、この国があーだこーだと他人事みたいに言うなど、なんだか雰囲気もダダかぶりだった三作の感想を改めて観て書いてみようと思う。

 

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・時代背景

当然の終戦60にかこつけたマーケティングなだけでなく、北が2002に拉致を認めた勢いに乗ったため北鮮のテロという邦画にあるまじき作品を作れたのは凄い。近年の『空母いぶき』(支那と戦う人気漫画を大幅改変、非現実的架空国家と戦闘し支那含む『国連』が助けてくれて完)の信じがたい惨めさとは対照的だろう。

韓国は以前、”西側”として自民党とまだなかがよかった。製作に名を連ねる産経新聞もしかり。後に協議の一方的無視など普通外交であり得ない態度が繰り返され信用が低下した。

 

・本作

産経新聞が製作に名を連ねている 実物のイージス艦が一部の撮影に使われた

 

・内容

北鮮人工作員一味は米軍の秘密細菌兵器グソーを在日米軍基地から窃盗

自衛官の内通者を利用し立場を装いイージス艦をジャック

指揮所を制圧し艦内に総員離艦命令を出すと乗員は疑問を持ちつつも唯々諾々と艦を明け渡してしまう

危険な兵器がどこかに積み込まれたまま船は東京に向かう

限界に近づいてしまえば特殊な焼夷弾で爆撃して焼き尽くすしかない

工作員と情報機関、主人公の自衛官らの攻防が描かれる

細菌平気で政府を脅迫し、内通者自衛官の息子が国の情報機関に殺されたなる陰謀の真実を白状させようとしたりするが、北鮮工作員の目的は東京を攻撃することでアメリカに北鮮を報復攻撃をさせ、腐敗した祖国を一度壊し作り替えようというものだった。

 

・雑感

館長暗殺、テロリストのジャック、戦略兵器を積み暴走、少数でテロリストを撃破する流れがセガールの『沈黙の戦艦』で、面白さは下位互換と言って良い。館長暗殺の変更は自衛隊協力のためのストーリー微修正によるもののようだ。ダイハードは観ても沈黙の戦艦は知らない方は沈黙の戦艦必見だ。

テロの真実の動機が不合理で確実性が低く、テロ自体も計画に無理があり過ぎる。またビデオメッセージで本国の意思と関係ないと表明するが、北鮮攻撃をさせたいのならそれを言う意味が分からない。などとにかく意味不明不可解点が多い。

 

亡国のイージス - Wikipedia 恒例のwikiです。映画版の評価 が参考になります。

拳銃向けあってしゃべるシーンが長い。

女テロリストの謎キスシーン、彼女は強い男への異常性癖持ちだが原作を見ないとわからんそうだ。意味不明唐突のキスシーン、俳優と韓流女優でマーケティングするだけでストーリーになんら寄与せず、この時点でもう映画として終わっている。

戦闘シーンをスローで引き伸ばすわりに、会話の間が長い、なぜ。

 

佐藤浩一は政治臭のある作品にやたら出てくるが、公務員とかの顔じゃないと思う。なんだろう、すごく似合わない。

 

・採点

特に終盤、拳銃でパチパチ撃ち合っては、各キャラが息絶え絶えになって緊張感のない背景を長々映し感動パートのセリフ、顔アップ、みたいなのを連発、その後もバテバテ感だけはリアルで、とんでもないテンポの悪さになってる。

よって11点とする。

【映画】プラトーン(1986) 80

 

 プラトーン 120分 80点(映画として優れている)

原題『Platoon』(小隊)

 

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ベトナム戦争ってなんだよ

建国以来西へ影響力拡大を続けたアメリカはついに日本を占領・武装解除して悲願の太平洋支配を確立。(朝鮮戦争前にはアチソンラインという誤ったメッセージを発してしまったが)防衛線が自動的に日本(朝鮮半島38度線以南含む)まで前進しため、防共壁日本の抵抗力消滅により間髪いれず攻勢にでた共産主義侵略が自身の脅威となり、対応を余儀なくされた。

悪の国日本を倒せばアジアが平和になると思い込まされていた米国民はその後、朝鮮戦争ベトナム戦争という、共産圏との分断国家で戦う不人気な戦争をした。

両戦争とも非対称な戦闘では避けがたい便衣隊作戦に直面しやはり非戦闘員虐殺を行った。特にベトナム戦争は撮影機材の発達も手伝いある程度報道の自由がある米国ではそれなどが反戦宣伝に最大限活用されたため、その印象が強い戦争となっている。

ソ連支那の共産圏支援を受けた北ベトナムに対して米国は南ベトナムを支援し派兵、大韓民国が次いで多く派兵した。

結果は米国撤退、北に統一。防共の戦争目的を達成出来ず、敗戦と言える。敗因は勝つ気がない事だった。戦線拡大を恐れ、敵補給に十分な打撃を与えず不毛な消耗戦を続けついに経戦を断念した。米軍死者は58000人だそう。

アメリカというのは戦争に勝つかが国内世論に大きく左右される。

インドシナでは日本の独立工作と敗戦に乗じコミンテルン指示の革命が行われ、フランスの"再侵略"に反した独立戦争としてインドシナ戦争となった。共産圏の新体制勢力援助とアメリカによるフランスら旧体制勢力援助により共産主義対資本主義イデオロギー戦争の色彩が強まった。アルジェリア独立運動や前の大戦の疲弊によりフランスの支配は終わったが、アメリカの指導で旧体制は国家体制を変え"自由主義陣営"となり正当国家を主張した経緯から、ベトナム戦争第二次インドシナ戦争とも言われる。アメリカ撤退後は共産圏の内輪揉め戦争が始まり、カンボジア・ベトナム戦争支那侵略戦争である中越戦争などで第三次とも言う。

 

・本作

ベトナム戦争を描いた有名なアメリカ映画

監督の実体験によって非常にディテールのリアルな作品と評されている。

 タイトルの小隊についてザックリ説明する。小隊は30~50人と説明される部隊規模の単位。小隊が合わさって中隊、それが合わさって大隊という具合。

軍隊にはその単位ごとに絶対に1人の指揮官がおり、小隊長は普通、下級将校(尉官)が務め作中のウォルフ中尉がこれ。小隊はさらに分隊に分かれ、分隊長を曹の階級が、一般の兵はその下となる。作中の2人の軍曹は小隊長に遣える分隊長の位置。

字幕では分隊(squad)は班と訳されている。

 

 

・内容

描かれるのは米軍二等兵の主人公 テイラー の初従軍。1967年9月に南ベトナムに到着した米軍飛行場の場面からはじまり、1年間の任務期間に挑みさまざまな体験をし、その結末までの映画となる。

作中の作戦地域は主にカンボジア国境沿いのジャングル。

主な登場人物はテイラーとエリアス軍曹とバーンズ軍曹

テイラーは裕福な家庭の生まれだが、貧乏人ばかり戦うのは不公平と考え家族は反対するも志願。

エリアス軍曹は正義に懐疑的でテイラーに好意的。

バーンズ軍曹は自信家で攻撃的な性格であり、中尉以上に部隊への実質的な影響力がある。エリアスが気に入らない。

両軍曹はともに戦闘慣れし、支持者の兵がそれぞれにいる。以下直接の内容

 

森で活動する敵への待ち伏せ

夜間の銃撃戦になり、この初戦闘でテイラーは軽傷を負う。

補給品のビールをちょろまかした気の良い黒人兵のキングと共に仮設便所掃除をさせられた際、自身の志願理由を話して仲良くなり"顔役"に紹介をされる事となる。連れていかれたのはエリアス軍曹のいるマリファナパーティーだった。良い奴の印象があるキャラクターも、とうてい規律正しいとは言いがたいスタンスでストレスを発散している。

中尉が部下からカード賭博に誘われるがカモにされたくないと笑って断ると、金が大事ですか?ユダヤ人みたいにと笑われる。

 

68年元旦

トーチカと地下通路を見つけ調査

直前に放棄されたようでブービートラップが仕掛けられ。地図の入った箱を持ちあげると爆発。地下穴には野戦病院

川下の村に敵の情報があり部隊を移動しようとするが仲間のマニーが行方不明。前進すると村の近くの川岸に喉を切られさらされた彼の死体が発見される。米兵達は怒り、村民への暴行。

テイラーも村民に怒りをぶつけ発砲で脅かすが冷静さを取り戻す。バーンズは村民殺害を繰り返し、止めに入ったエリアスとの殴り合いに。中尉は事態を制止しなかった。テイラーは少女強姦をしようとする者達を止めに入った。村は焼くことが決定し村民は難民として連行。

エリアスは上官のハリス大尉に犯罪の告発を試みるが、戦場ですぐさま対応できんとなり、バーンズのエリアスに対する反感は決定的に。

テイラーとの会話でエリアスは、この戦争は負ける俺たちの国は横暴すぎたと語る。

 

敵の待ち伏せと戦闘

ジャングルで混戦に。敵が回り込むのをカバーするためエリアスはテイラー達3人を抜き出し移動、そこでさらにエリアスは側面防御のため一人で離れる。

中尉が慌てて要請した砲撃支援が自分たちの部隊の座標を襲いバーンズは中尉にぶちギレ。敵が多いので部隊を引いた上で再度同じ座標を撃たせると決定し、バーンズはエリアス組を呼びに来る。彼は離れたエリアスは自分に任せて早く逃げろと言って、進んだ先でエリアスを銃撃する。

バーンズは奴は死んだと嘘をつき部隊はヘリで離脱するが、見下ろすとジャングルから負傷した彼が敵に追われ出てきた。機銃の援護もむなしく彼は戦死(有名シーン)。以前は勇猛なバーンズへの憧れもあったテイラーだが完全に彼を疑い敵視するようになる。

 

ラストの戦闘 作品で名前は出ないがテト攻勢という北の攻勢作戦↓

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1月30日から 旧正月を狙い奇襲に成功

米軍は攻撃はないと踏んでいた

大攻勢の衝撃は米国の反戦運動を後押しした

皆に嫌な予感が漂うなか、キングは1日早く帰還が許され大喜びでヘリに、テイラーと笑顔で別れる。

激戦が始まる。塹壕に入り空軍の支援のもと戦う事となるが、敵の突撃に陣地は呑み込まれ、ついに自陣を空爆させる。バーンズは乱戦の中テイラーを殺そうとしたが空爆に巻き込まれる。気絶したテイラーが目を覚ますと敵の攻撃は止んでおり辺りは死体の山、弱ったバーンズを見つけ銃を向けると、顔色を変えず「やれ(Do it.)」という彼を射殺した。

増援が到着、傷病兵として戦場から離れようと自身の足を刺す者、遺体から耳を切り取る者など悲惨な光景が広がる。埋葬処理のため掘った穴に死体の山がブルドーザーで流し込まれる。

2度目の負傷となったテイラーは帰還が決まり、ヘリに乗り戦友と笑顔で別れ、飛び立つと涙が溢れた。

 

・雑感

視聴者の心情として後味の悪さがなく、"サッパリ"する作品と思う。反戦的映画として有名な触れ込みも手伝って一部微妙な評価をする方の原因だろう。

理由として、2人の軍曹はやはり善と悪の役をなすし、キングが生き残り、バーンズ組は嫌な予感に恐怖し死んでいく。そしてバーンズへも敵討ちと体感する描写という事。よって『勧善懲悪的なカタルシス』が発生する作品であることが挙げられる。

その上で、主人公が重大な怪我もなく戦争を語りつぐ役目なのだと締め、ヘリのシーンで終わるのは『プレデター』や『ジュラシックパーク』を思い出した。ストーリー上何かしらの完結をしてヘリで飛び立つあの終わった感は、同じくベトナム戦争映画の傑作と言われる翌年の『フルメタル・ジャケット』のラストとかなり異なる。

 

大戦映画だと相手国軍や政府の戦争指導や内政を雑に描く事がままあるけれど、ベトナムモノでは見たことないのが不思議。

キングの名前はアメリカの視聴者は普通キング牧師を想起せざるをえないところだろう。 

キャラクターの性格や力関係の一貫性は自然な限りなるだけ多く描写した方がキャラの成立を助けるが、登場キャラがなかなか多いのにバランスがとれていてすごいと思った。

マニーに刺してある紙は南ベトナムへの安全パスポート。giấy thông hành(パスポート)の文字と南と参戦国の国旗がデザインしてある。

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Giấy thông hành an toàn – Wikipedia tiếng Việt

 ↑(米国によって印刷された安全なパスポートは、ベトナム人民軍南ベトナム解放軍の兵士を「呼び戻す」ように誘惑するために飛行機で投下されました。) いわば投降ビラに近いイメージ

 

村での暴行シーン。脅迫による住民への戦争協力強要や、見せしめの処刑が米兵を激昂させた事が暴行の原因の1つとして描かれている。このバランス感覚は現実を知っている人が直接携わってこそだろう、邦画では一切期待出来ない点だ。

どう感じるかはともかくとして、情報の提示としては意外と米兵の"やらかし"というだけでなく、住民を巻き込んだゲリラ戦術がそういう状況を引き起こしやすい面も見てとれる。

 

トーチカと地下通路探索シーンも好き。探索のために部隊が止まり、外の兵たちのふうと息をつく感じが良い。自然を映しながら煙草を吸う兵の台詞のないカットでメリハリがつく。映画には場面転換のストーリー上の意味のない情景描写カットは良くあるが、演出の効果を高めるために効果的に使えるテクニックのだしどころでもあり、本作はそういう所がとにかく上手い。外のテイラーの足元を這うヘビ、地下病院の死体でぐっと緊張感がたかまる。

 

エリアスは死んだとテイラーに嘘をつく場面も良い。テイラーは心残りからバーンズのきた方を見つめるが生い茂るジャングルしかみえない。本当は確かめたくても自分が敵に殺されたらどうすると。もしエリアスが本当に死んでいれば真相は闇の中だった。ジャングルと戦争にいくらでもそんな殺しが隠れてしまう恐ろしさを一瞬の戸惑いが表現する。

 

 

 ・ハーケンクロイツ

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爆撃開けラストシーンのm113装甲兵員輸送車に掲げられた、ドイツ国防軍旗はなんなのか。ラストに画面奥側からナチスドイツの軍旗を登場させる強烈なメッセージ性があるのに、なぜよく分からないのか謎。テレビでもたまに紹介される映画だが、大抵エリアスの死の場面だけだよね。

ショボい情報収集力では意図がわからなかったので想像。

 

説1.不満や抑圧。それが強烈な差別や偏見に繋がりかねないというメッセージ。

説2.こんな野蛮な事をする俺たちはナチスと何が違うんだーというイメージ

説3.米兵によるハーケンクロイツの落書きのベトナム戦争写真が実際あるので、意図は不明だが実際に(似たことが)あった。

 

1、カードの場面でのセリフ等から想像。(反ユダヤナチスの特権ではなく広く根強い、アメリカでも金にがめつい白人というイメージはある程度共有されてしまっている。)貧困層が食うために入隊し苦しむという歪みは映画テーマの1つに見える。また該当軍旗は大戦中と少し異なる35~38年のもので、ナチスドイツのホロコースト以前のものであるのが意味深だと深読みしたくなる。それに2や3であれば軍旗でなくポピュラーな党旗を用いれば自然で足る。

2、同シーンは遺体の耳切りなどの残酷描写だけでなく、ナチス描写の定番のシェパードを米兵がつれている。実際に犬がいなかったわけではないが(米軍がおこなったゲリラ掃討のサーチ&デストロイに軍用犬が活躍した)、かなり印象的になりかねないので意図せず同じシーンに重ねるとはピンとこない。1のシンボル表現のためとも解釈はできるが。

3、自軍と異なる軍旗そのものを掲げるのは明らかに問題で不自然なので考えにくい。

 

知ってたら教えて下さい。

1は『帰ってきたヒトラー』から感じていたことなのでふと思い付いたもの。あの作品は、難民問題に不満を持つ一般市民達が反差別の名の元に抑圧を感じている所に、解放者としてヒトラーが表れることで排外的で攻撃的に傾いていく様が背景にあり、現実問題に向き合わず抑圧する事の危険性をヒトラーの再来という形で擬人化する事で描いている面があると見える。

本作プラトーンの描写は経済格差が反ユダヤ感情や黒人の被害者意識と結びつき混沌としているアメリカ社会そのものが人間描写の一端に反映していると思うので、ユダヤ問題のみに焦点をあてたと思ってはいないが、それをあのような形でシンボルとして表したのでは。監督オリバーストーンは行き過ぎた資本主義を嫌い、本作と同時期の『ウォール街』でその強欲さを描いている。彼はウォール街で成功したユダヤ系の父を持つ。

 

 

・採点

キャラクターの出来と回し、有意義なカットの多さ、演技、丁寧な背景の情報量、いづれにしても一流と素人目にも明らかに思える。音楽も印象的。戦闘だけでなく気候風土から性格士気などの立体的で緻密な描写が趣味。

なぜカンボジア国境なのか、分からない人が分かるようほんの一言でも欲しかった。政策、時代背景描写がないのは趣味でない。脚本に非はないが終わりかたが趣味でない。

 

よって体感80点とする。

 ( ・ω・)大作なのに戦車出ないのよね~

本作の見所は語り尽くせぬ 途中からなに書いてるかわからんなった

【映画】ビヨンド・ワルキューレ カリーニングラードの戦い(2016) 40

ビヨンド・ワルキューレ カリーニングラードの戦い 100分 40点

原題『BEYOND VALKYRIE: DAWN OF THE FOURTH REICH(第四帝国の夜明け)』

 

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・内容

 

第二次欧州大戦末期、ドイツの戦局打開は見込めなくなり、クーデター勢力によるヒトラー暗殺計画ワルキューレ作戦が始動。

主人公OSS※¹ブラックバーン大尉のチームはクーデター勢力のドイツ軍中佐の救出を命じられる。彼の持つ機密をソ連側に渡したくない、戦後のパワーバランスを見据えた東西の攻防が水面下で始まっているのだった。

夜間に空挺降下で敵地に潜入を試みるが輸送機が攻撃され緊急降下、目標地点まで歩く。ドイツ軍に捕獲され尋問を受けるが、変装したGRU※²隊員が鉄道破壊工作の途中に捕まった同胞の救助に来て、結果的にOSSチームも助けられる。GRU側の許しで一時的に行動を共にする。

互いに工作員であるから不信感から対立するも、以降次第に打ち解けるストーリー。両者ともに本来の目的は隠すが実は同じ道を進むことになる。

クーデター失敗を知るも、目的の中佐から渡されたファイルでナチス再興を図る秘密のエリート亡命計画を知り阻止するために共闘する。

港の戦闘で最後は数に押されて追い詰められるが、味方飛行機の空爆と機銃で見事に敵だけを殲滅してくれて終了(デジャヴ)

 

 

1.OSS 戦略情報局 CIAの前身 反日組織等の教導、プロパガンダ戦などをした米軍の情報・工作機関

2.GRU 赤軍参謀本部情報総局(ロシア連邦軍参謀本部情報総局) ソ連軍の情報・工作機関 赤色テロの教導煽動 リヒャルト・ゾルゲ(ナチス党員、ゾルゲ諜報団で近衛政権ブレーンの朝日新聞社員尾崎秀実と共に日本で支那事変拡大工作等を主導)の雇用者

 

 

・雑感

 

舞台であるバルト海に面する港町、東プロイセンカリーニングラードは当時の名はケーニヒスベルクであり、謎邦題。

スターリングラードみたいで激戦感をかもせると思った浅はかな考えが想像できる。

カリーニングラードリトアニアポーランド間のロシアの飛び地で、ソ連崩壊・バルト諸国等独立後もロシア領となっている。

カリーニングラード - Wikipedia 

不凍港 - Wikipedia ←↑ケーニヒスベルクの歴史、ロシア史と不凍港について、非常に面白いのでオススメです。

バルト艦隊の本拠でありロシアとして到底手放せない土地。

日本とやったバルチック艦隊と同じだが、現在のバルト艦隊は周辺海域で活動する地域艦隊。

 

亡命組は亡命計画を知る暗殺組中佐を狙っているが、彼らは独断の勢力で、暗殺の成否に無頓着。作中の敵も味方もドイツ軍的には裏切り者…そんな中ドイツ潜水艦Uボートナチスが亡命するのを防ごうとする、戦争の裏側のドタバタ劇。

あれこれ出てきてセットもそれなり。少なくないキャラクターもそれぞれ個性があって回収するところを回収する見れる脚本。無論一般ドイツ兵はやられ役にされている。

飛行機に戦車に列車に港の潜水艦といろいろ賑やかな映画で、B級に慣れた方なら当たりと感じる可能性は高い。

安っぽい飛行機のCGなども、適度なピントとボカシでCG感に気が散る事はなかった。

 

 

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この車輌だけやたら偽装(ペイントも?)している。

出演車輌全て本来は大戦初期のグレー塗装だが、一貫性があるのは◎

個人的にはドイツ軍っぽくて好き。

この偽ドイツ戦車ティーガーはT34車体ベースと思われる。転輪片側5組で前2つが少し離れる感じ。

しかし起動輪(履帯(キャタピラ)と噛んで動力を伝えるホイール)とそれに伴って履帯がT34のものではない。13歯と穴の形状から、おそらくT54のもの。

ティーガーの少なさ故、T34改造車は『戦略大作戦』からの『プライベートライアン』で定番となったが、T34特有の薄い履帯がティーガー感を最も損なう点であった。そのため本車両は一回りかっこよく仕上がっていると思う。

T34の起動輪は履帯中央の突起と噛む構造で、歯車型ではない↓

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T34←  →T54 

出演車輌は歯が外側と噛んでいるので少し違うが、

同様の写真もあったので履帯幅のマイナーチェンジではないか

 

第三帝国は大抵ナチスドイツの事。原題の場合、第四帝国はナチス再興の恐怖を煽る造語。

 

ナチス残党と一瞬だった米ソ協力及び水面下の攻防という、歴史の闇というほど闇でもないが、少し斜めの視点を背景とした娯楽映画。 

建物内のご都合銃撃戦アクションのワクワク感。

 

 

・採点

 

自陣営は善人、敵の人格はクソかモブ。で、まぁしょうもない。

雑さを楽しめるなら十分オススメ。

画面色やカメラワークも一流ではないが決して三流ではないといった二流で、最後まで観れる。

総合的にアドベンチャー感のある作品でそれなりに楽しめた。

よって体感40点とする

 

【映画】パトリオット・ウォー ナチス戦車部隊に挑んだ28人 (2016) 55

ネタバレ注意

 

パトリオット・ウォー ナチス戦車部隊に挑んだ28人  112分 55点(ミニチュア特撮の底力) 原題『28 панфиловцев』

 戦争美化(笑)度 30%

 

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合成映像のラジコン3号戦車

・本作

冒頭クラウドファンディングによる製作と表示されるが、カザフスタン政府支援を受けているそう。ロシアの省庁からも助成金が出ている。

大衆性のない気味の悪い個人製作の彫刻(別に愛トリとは限定しない、あーいうの山ほどあるから)に国民の血税を浪費する日本では不可能事である。

 

多民族の集まりのソビエトは、各民族が協力しあう素敵な共同体という映画。

もしカザフスタンが侵略されてもロシアが立ち上がるぜ、的な支援への義理的な台詞。

数あるソ連邦英雄礼賛映画の一つである。が、基本的にひたすら戦闘の映画で敵を不必要に悪く描く性質が無い点が素晴らしい。嫌らしさが無い。アクション作品と名乗る資格がある。

en.m.wikipedia.org

 

・内容

舞台は1941年11月、モスクワ近郊の雪原でドイツ戦車部隊を相手に赤軍塹壕で戦う話。

中隊がひたすら穴堀り、陣地をつくり対戦車戦闘訓練、偽の塹壕を堀ったり木造高射砲の欺瞞で砲撃を回避する。

そして一回目の戦闘ではほとんど損害を出さずに敵を追い払うも、今度は正確に猛烈な砲撃を浴びせられ手痛い損害を被る。残存兵力は28人、小隊規模になってしまう。

援軍はなく"死守"を命じられる。弾を撃ち尽くしギリギリの戦闘の結果、強力な抵抗力ありと判断させ、ドイツ機甲大隊の撃退に成功。

現在同所、草原の記念碑にどでかい石像が立っていて終了、彼らは英雄と認められたのだった。

 

・雑感

珍しくソ連戦車や自動車やらが出てこず、ドイツ軍の三号戦車四号戦車目白押し。

この戦車、~おりくらしげるのブログ~さんで知ったのだが、なんとラジコン特撮と合成で作られているというのです。ここまで出来るのか、と素直に驚いた。(1分18秒より)

youtu.be

 

三号戦車は適度な小ささとシンプルな足回りの形状から、近年の退役装軌装甲車などを元とした改造車に良く特徴を捉えたプロップ車両が何パターンかある。

そのため本作初見時、どこを見ても実車と同形状で、こんなに実車があるわけないからCGか?にしても凄いと思っていた。ミニチュア特撮の進化にしてやられたという事で印象に残る映画になった。

多数の要因で絶望的な、邦画の帝国陸軍戦車活躍にまずの実現可能性があるのではないかと思った。が、グリーンの合成的に雪原ならではかも、植生の中や泥・水の表現は難しいか。市街地戦には有用かもしれない。

 

映像を注意深くみたところ、一両は不稼働実車か実物大プロップを用意していると思われる。乗車シーンや車内描写がなどが入るが、キューポラから乗員が乗り出した状態で動いている場面がない。ほんとうに上手いカットで見せている。

 

内容で気に入った点として、砲撃に際して着弾監視と修正の連絡という描写があるところ。

ロシア映画には特に砲兵を重視して描く傾向がある。というか、他の国の作品、特に近年のが職種の連携という描写に乏しいように思える。

 

あれこれ塹壕内の会話があるが、作中で描くストーリーと関係ない。ひたすらドイツ戦車とドンパチする。

1993年のドイツ映画『スターリングラード』でもあった、戦車が塹壕の壁を崩して隠れた兵を生き埋めにするような場面もある。あくまでようなだが。

 

欠損遺体とかのショッキングな描写が皆無なので、そういうの苦手でも見れると思う。

 

・採点

ドイツ戦車が弱すぎる。ソ連が押されてる事にも持ちこたえてる事にも説得力がない。

この映画を最もオススメ出来る対象は三号戦車・四号戦車ファン。ロシアのプロパガンダ歴史観への理解や、我が国に関わる史実的面白みなど得るものはない。ドンパチ映像をみて楽しもう。

役者の演技、絵作りは十分でストレスフリー。

機関銃でドイツの歩兵達を掃射し、伏せている撃ち漏らしのドイツ兵達を容赦なく撃ちまくる。そういう"なんかかわいそう"程度の事をソ連側描写でやるだけでも驚いてしまった。無論ソ連の体制描写もやんわりは描くが、ドイツ人相手に良心の呵責を1mgでも感じそうな描写はロシア映画には珍しい。

情け無用の良作戦闘映画だ。

よって体感55点とする。