(概ね)戦争映画みる星人

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【映画】パールハーバー(2001) 19

  

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真珠湾攻撃




ネタバレ注意 視聴済み向け

パールハーバー 183分 19点(恋愛シーンも映画自体も無駄に長く退屈な為)

 

・本作

タイタニック』ヒットの二匹目のドジョウを狙った超大作。かなり恋愛シーンが長く、かつ不貞なキャラクターに共感できない仕上がりとなっている。

反日的作品としての知名度が高く(その辺は後に考察)、本国ではアメリカ人の愛国を煽って宣伝したが、日本に売るときにはタイタニックを越える恋愛映画として各メディア媒体で大宣伝し日本でヒットした。(詳しい解説は他サイトにあるので省く)

前述の通り脚本の出来が悪く、アカデミー賞前夜に最低映画を決めるゴールデンラズベリー賞にノミネートした。

 

アメリカはベトナム戦争で『良い戦争』への自信を喪失しており、それを背景に二次大戦映画ブームが90年代前後にあった。米国が人民共和国との急接近をした80年代(天安門事件で経済は一時冷え込む)の、スピルバーグ太陽の帝国(1987)』に端を発するように思える。

スピルバーグを筆頭、映像技術の進歩により体感的リアリティがあるも、結局の所アメリカ正義的作品が彼らのジャスティスを取り戻した。そんな時期の作品である。

 

 

・内容

主役は戦闘機乗り2人。うち一人はイギリス本土防空戦に志願兵として参戦し後に帰還。開戦までは多少のイギリス空戦、長い愛憎劇、似てない山本五十六が喋るシーンを繰り返す。具体的な外交内容や政策は言及されない。

 

41年1月、武器貸与法(3月から)を示唆する会議シーンの後、画面いっぱいの旭日。開始30分それまで名前も出ていない日本が突然現れ、本作きっての迷シーン青空参謀会議が始まる。石油の全面禁輸に言及しておりおよそ8月以降の場面。

開幕1時間25分~2時間10分 真珠湾攻撃12月7日

以降ドゥーリトル空襲関連で終了

 

 

反日プロパガンダ映画か

 

交流行事で日本から渡された偽りの友情の記念メダルを爆弾につけてお返しするぜ!というのは実話のようだがさすがに下品過ぎる。この爆撃で民間人が死んでいる。21世紀にこんな戦争観の超大作映画がアメリカで作られるというのは正直蔑視の域に入る。知る限り映画史上最も民間人死者を出した爆撃をおちゃらけて素晴らしい事と演出した作品。

 

超大作でありながら絶望的なほどの考証不足は突っ込みどころだろう。これは他の作品の追従を許さないほどなので言われて当然と思う。一部を挙げる

 

邦画『ハワイ・マレー沖海戦』のミニチュアセットを図上演習かなにかと勘違いした謎プール イメージ先行で緑の零戦(当時は白) 日本艦艇内のカレンダーが西暦 謎の言語がかかれた零戦 戦後の艦艇が停泊 他多数

 

Wikipediaにこんな記述があった。

史実と異なるとして論争になった点

真珠湾攻撃のシーンについて

日本軍が機銃掃射で民間病院や民間人を攻撃しているシーンや海面に浮いている兵士へ執拗に機銃掃射をするシーンがあるが、これは史実に無い過剰演出として批判する意見がある。ただし、記録によれば日本側の諜報活動のミスにより民間施設が軍事施設として誤って攻撃対象になっていた場合もあるようで、実際にそれによる死傷者も出ている。

 

以上。意味不明な文章である。過剰演出との『意見』と言ってあくまで個人の見解とした上で、あたかも資料で論破したかのようなおかしな書き方をしている。指摘内容と史実とで全く別の現象が記載されている、なにが『ただし』なのだろうか。実際、機銃掃射しながら低空を縦横無尽にブンブン飛び回るような奇妙で危険な戦いは行われていないしあり得ない。民間人と言っても基地関係者や軍属が主ある。

批判意見の例にも問題がある。作中の病院は民間ではなく明らかに軍の医務室である。病院誤爆は事実である。作中においても一発落ちてきたという描写のみで、他のシーンのような虚偽とは性質が異なる。

 

ドゥーリトル空襲シーン、左がきで『笹原兵器工場』とご丁寧に海岸海側に向かってどでかい看板、有名な青空会議に次ぐ趣ある抱腹絶倒ポイントである。空爆が見事、徹底した軍事目標攻撃を成し遂げたのだと教えてくれる。(実際の空襲↓)

https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://ja.wikipedia.org/wiki/%25E3%2583%2589%25E3%2583%25BC%25E3%2583%25AA%25E3%2583%2583%25E3%2583%2588%25E3%2583%25AB%25E7%25A9%25BA%25E8%25A5%25B2&ved=2ahUKEwiznJGCpMvwAhWENaYKHQxmDi0QFjACegQICBAC&usg=AOvVaw0KYxXhtvvgYOhP78I2v3_l&cshid=1621067779995

空襲軍律と敵搭乗員処刑について↓

http://oira0001.sitemix.jp/frame57.html

 

結論 以上、演出によるフィクション部分の方向性が、日本を貶め合衆国を只管賛美する傾向が顕著である。真珠湾とドゥーリトル空襲という、本来比べようもない異なる作戦を比べ「仕返しだ」という米国の戦時中のプロパガンダを垂れ流し、無差別性の性質もまるきりひっくり返しており、プロパガンダ的との指摘は免れない。

しかしどちらかというとアメリカを上げるのが主眼であり不快感は薄い。多分アメリカ人も「うーんこんな感じなのか?」となるのでは。超絶万歳映画。

 

・雑感

ミリタリーに興味のない視聴者を特に誤解させる要素として、爆撃の難易度を極めて簡単に考えている点が多くの映画にあげられると思う。進入と投下は測量の世界であり、高度が不足すると甲板を貫通せず効果を得られなくなったりと、非常に難しいとだけ思っていれば多くの映画の印象がかなり変わる。

 

それと国際法上、軍事目標攻撃のまきぞえは問題とされない。沖縄戦民間人被害が疎開を間に合わせない日本側過失の比重が大で米軍による虐殺とは言われず、東京大空襲が米軍による大量虐殺である理由もそれである。

奇襲もそれ自体は一般的な作戦である、最悪の不手際は最後通告の遅延であるが、極東国際軍事裁判において故意性が無いことは認められ法的責任は判定されなかった。暗号電文解読遅れは情報戦敗戦の1つであり特に反省すべきと思うが、もし日本が今アメリカほどの強力な情報機関を作ろうとすれば、国内の反戦思想に潰される事は想像に難くなく皮肉だと思う。

 

虐殺は国際法的には一般に不法殺害を言う。法は両軍に平等なので、戦争でもっとも重要な判定基準となる。妥当性は国際法学者が判断する。

法はある一文に反していても、適用外や例外、別の条文の補足などで、違反とならない場合も多いので慎重に考えなければならない。雑な虐殺認定と国際法の関係は、被害加害に関わらず誤解が多い。

 

イギリス空戦シーンの崖は『ドーバーの白い崖』と言われる名所。2018年ポーランド映画バトル・オブ・ブリテン 史上最大の航空作戦』にも登場していた。

 

 

・採点 戦闘機や戦艦がたくさん出る。当時の映像レベルとして非常に高く、今に通用する完成系と言える。話がかなりつまらない。

よって体感19点とする。