番外編なので雑に。ネタバレ注意
ゲヘナ 106分
アメリカ映画で日本人監督
翌年のテリファイドという映画がなかなか好きで、パッケージのガリガリハゲがそっくりなので気になったが、あまり良い脚本とは思えなかった。人物がなに考えているのか、なんとも。洞窟内でいったり来たりテンポが悪いし。ご自慢のメイク技術は良いんですが。
このジジイ、トラウマ級。 とあるが別にジジイの霊と戦う話ではない。余談だが
ババアが、憑いてくる。 のパッケージのフォロイングでは、ババアが憑いてくる。
戦車の残骸が出てたので紹介。とはいえこんなのググればいくらでも出てくるんですけどね。
どの様な形にせよ映画で映る事自体が良いのであり、貴重なのだ。
ネタバレ注意
リゾート開発でサイパンのある土地を買い上げる話が進んでいて、反対運動がある。
迷信嫌いの現地ガイドや所有者ら五人で、神聖な土地で地元民が近づかないらしい候補地へ。なにやら洞窟の前で祈りを捧げている侵入者を追い出し、なんやかんやと内部の視察へ。
なんと日本軍の地下壕で古い死体が転がっていた。カンヅメをむさぼるガリガリハゲが飛び付いてきた時にパニックで押し飛ばし殺害。一行が謎の気絶をして、目を覚ますとボロボロに散らかっていた地下施設が綺麗になり、食糧元通り。出口が空かずに一行は閉じ込められてしまった。どうやら過去にいるらしい。
実はもともと先住民の王を苦しめたスペイン軍人が呪いの儀式にかけられた洞窟で、中に入ると自らの後ろめたい気持ちが幻覚となり、伝承者である最後の一人になるまで苦しみまくる理不尽な仕打ちが始まる。主人公の女性はかつて息子を海で見失い死なせてしまったトラウマがよみがえりグロい子供の幻覚に罵倒されるなどである。
かつて日本兵たちも巻き込まれた。
時空が歪んだ空間に閉じこめられ過去の怨念に襲われるのは、カナダの精神病院を日本軍地下壕&地元民の伝承版にしたグレイヴ・エンカウンターズのような状況設定だが、各キャラのトラウマとかが本筋と無関係で機能しておらず、幻覚のパターンも不合理で、話は浅い割にいまいちなテンポやセットのせまさがぬぐえずなんともいえない。ちなみにPOVではない。
グレイヴ・エンカウンターズのシリーズぐらいアホ丸出しだったなら良かったのになぁと思った。
システムはこう。洞窟は過去と現在が歪んでいる。たぶん17世紀あたりに呪いで死ねなくなり、呪いの伝承役として洞窟に居続けガリガリハゲと化したスペイン人を、70年前日本兵が発見、パニックで殺害。伝承役がトリガーで地下は閉じ込め異空間モードに。
最後の日本兵は伝承役になってしまう。(チラッと写る日記に書かれているが、敵を殺して快感を感じた事かなんかが罪の幻覚となっていたようで、洞窟内に許してくれ殺してくれとの落書き。)
閉じ込められた主役一行の侵入に驚いた日本兵さんは、自分が最後の一人ではなくなったと悟り自決。
後に謎のガリガリハゲは一行の伝承役で、突き飛ばした悪役男本人と判明。死体の一部は一行自身だった。
なんで日本兵さんはガリガリハゲじゃないのか、なぜ悪役男さんは70年後にガリガリハゲ状態でカンヅメを食っているのか、なぜループしているのか、時間の整合性がどうも取れない。
日本の侵した地をリゾートに!とか言いながら迷信現地人は小銭渡せば解決するとかぬかすアメリカ人土地所有者が地獄をみる大国を皮肉った映画だと思うのだが、呪いが地味に凶悪すぎる。悪魔のような類いの相手ではないのに理不尽過ぎてピンと来ない。主人公の女性ぜんぜん悪人じゃないし。
日本軍周りはガバガバなのでいちいち言及せずスルーとするが(軍の小物はコレクターの集めたらしいものが多少でてる)、監督もあってか発音は珍妙ではない。映画からは全く分からんのでサイパンについて軽く触れておく。
欧州大戦後のパリ講和会議において米ウィルソンが、旧ドイツ領土の無併合を原則と主張、しかし現実問題独立国としておいていて安定するとは考えられず、国際連盟に委任された国が統治する形をとったため、大戦で主にアジアのドイツ領攻略を担当した戦勝国日本の委任統治領土とされたものである。
技術的なレベルは良い 脚本は微妙
霊や呪いの目的がよく分からない 良くない意味で快感が無い
よって25点とする。