【映画】ミッドウェイ 運命の海(2019) 13
ミッドウェイ 運命の海 98分 13点
原題『Dauntless: The Battle of Midway』(ドーントレス : ミッドウェー海戦)
パケ裏のストーリーの最後、『敵艦隊に止めを刺すため、アメリカ軍は最後の決戦を挑もうとしていた…』そんな決戦は出ない。
・本作
中共企業が出資した映画のミッドウェイにかこつけて同年に作られた映画。
本国でも日本のレビューと同様に評価が低い。
・内容
二人の仲の良い軍人、一人は後に不時着水する艦爆搭乗員ノーマン、もう一人が捜索する飛行艇搭乗員ベネットで、友を心配する側と海で弱っていく側で展開する。
艦爆側は、空母エンタープライズの第16任務部隊、艦上爆撃機SBDドーントレス(2人乗り)の二人、操縦手ノーマンと副官のリー。謎にクラシックの木星がBGMの飛行シーン。燃料が減ってきたところで敵発見、一瞬の戦闘。
機は空母加賀に命中弾を当てる。零戦を降りきろうとするなか対空砲に被弾、燃料漏れで不時着水。不時着の旨、連絡。救命ボートも出せずに機は沈みライフジャケットで漂流し救援を待つ。
だいたい開始20分以降は、たまに零戦にちょっかいかけられる飛行艇PBYカタリナの捜索機組と、衰弱しながら駄弁る漂流側などを交互に描写。
日焼けで顔は爛れ、衰弱していく。負傷していたリーが夜に絶命し沈んでゆく。
雨水を飲んでなんとか生きる。ついにノーマンは拳銃自決を試みるが不発し拳銃を投げ捨てた。幻覚はひどくなり、リーがあの世で会おうと語りかける。飛行艇に発見されたノーマンは機へ泳いでいくが、引き上げられ、救助されたのはリーだった。
二人は不時着後未発見となり、戦死とされたという説明文が出て終
・雑感
ラストの意味ははっきりわからない。なにが事実でなにが幻覚なのか。だれがどの時点で死んでいて、どの場面が現実ではないのかはっきりしない。
最終の説明によれば二人とも見つかっていないようだが。
カタリナが零戦に襲撃され、ウェーク島の空域に入ってしまったと言うシーンの零戦が、海戦当時まだ作られていない52型の機体(緑色もない)。海戦シーンのやつはちゃんと赤城や飛竜の艦載機だった。
単なる考証不足なのか、どうなんだろう。
なんかカタリナの側も幽霊的なやつっぽい。なんか所々に会話が不自然。
ラスト、海に消えて帰らない魂が救われて終わった話なのかと思う。それで日本側も不自然なのかもしれない。
なんだかよくわからない事をやろうとしている脚本なのは間違いない。まず全体的に面白くはないので真面目にじっくり見直して考察する意欲が出ない。
ベネットの魂はノーマンを探し続ける、とかの感じとするとラストシーンは納得出来る。
まあ、紫電(当時まだない)のコードネームがどうたらとかいう会話があるし単に考証不足もあるかもしれない。
あくまで一機の末路がメインで、日本側のなにかとかは一切描かれない。他の機の乗員とかも全く映らない。キャストが少ない。
追撃しようか引き上げようかとか話してる艦隊側もチラチラ写り、時間経過を出して実話感を出している。しかし主役は未発見だった遭難者を想像で描写しているようだし、なにを見せたいのか説明不足感。
冒頭、今時マイナー作品もこれだけのCGで見れるんだという小さな満足感はある。
艦上で歩いている人間、ぼかしているがいかにもゲーム的なCG。
主役のSBD ドーントレスは役者が入るため機のセットを作っているよう、後方の機関銃が少しさわるだけでガクンガクンしてて、みるからに軽くハリボテ感がエグい。(男たちの大和のガクンガクンしてる対空機銃を思い出した)
会話に面白い所は特にない。
どうでもいいが、兵たちがどいつもこいつもジャップ連呼しまくるが、敵とか日本軍とか訳してる字幕がむしろ不愉快。
本作では、サメかと思って慌てたらマンタだった。という描写で、ちょっと面白かった。サメに群がられたら助かるリアリティのない状況だから、常にサメの恐怖もあるという事を見せるためにやったのだろうか。
・採点
ストーリーの説明効果に乏しいシーンがおおすぎる。序盤のよく見るルーズベルトの開戦演説演出に、あぁにいかにもな戦争映画かなと思ったら、妙な展開が続きそのまま終わる。脚本の出来が悪い。
解釈するに、我々アメリカは帰った英雄の記憶だけではなく、海に消え未だ帰らぬ者たちを忘れてはいけない。魂安らかなれ的な事がいいたかった、のかもしれない。いや、違うかも知れない。
夜、目の前に突如浮上した日本の潜水艦が通過していくのを呆然と見ているシーンはなんとなく幻想的で好み。
シンプルに、面白い点が無い。しいて言えばマンタ。
よって体感13点とする。